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心の渇く風景
昨日深山が4泊5日の撮影ツアーから帰ってきた。
こちらは雪融けがどんどん進んだ暖かい日が続いていたので、写真が撮れるか心配だったが
旭岳はまあまあ冷えてすっきり快晴、道東方面も霧氷が付いたり、峠では霧が出たりと
なかなか良い作品作りができたようだ。

撮影ガイドといえば北海道では美瑛がメジャーだ。
私も始めてあの風景を見たときには、若かったこともあり、夢の世界に舞い込んだような心持で、畑の周りではしゃぎ、写真を撮りまくったのだ。
丘の上から見る朝日や夕焼けは、この世のものとは思えず、
ただただ感動の連続だった。

その後一人旅の途中に再び美瑛を訪れ、縁があって美瑛でアルバイトをすることになった。
そのときたまたまアルバイト先の店主に連れて行ってもらったところが深山峠(美瑛と上富良野町の境界にある)の裏手にあるちいさな徒歩宿(民宿のようなところ)だった。
高台にあるそのテラスでお茶を飲み、大雪山十勝岳連峰を見晴らし、その手前に延々と続く丘の風景を見たとき、生まれて初めて、「こんなところなら住んでみたい」と思ったのだ。
外国を旅したあと、日本の田舎で暮らすという夢を抱いていた私は夢に一歩近づけたように思えたのだ。

深山と出会った後に、その思い出の場所が、かつて彼が建てて住んでいた家だということが分かったとき、私は驚愕した。
でも深山は言った。
「あの風景をずっと見ていると、心が渇いて来るんだ。無性に海が見たくなる。」

今では深山のその言葉を私はよく理解することができる。
木々に囲まれ展望の無い現在の我が家の方がうんと居心地が良い気がする。
写真家としては、深山峠でギャラリーをやっていたほうが人も集まり、仕事ももっと順調に行ったかもしれない。
でも今ここで暮らし、ひっそりとギャラリーをやっていることは、なんとも深山らしいとしみじみ思えるのである。

美瑛の風景は変わってしまった。
宿やお店が林立し、離農して荒れてしまった畑の姿も見られる。
もちろん美瑛にも美瑛の人たちにも沢山お世話になったし、美瑛を否定する気はない。時々訪れると懐かしく、たまにはいいな~と感じるが、そこで暮らしたいとは思えなくなった。
深山も撮影ガイドをするときに、よほどリクエストが無い限り美瑛に連れて行くことはない。
おそらく美瑛の風景に飽きてしまったアマチュアの方々も多くいらっしゃることと思う。
そんな方、深山と一緒に新しい北海道を撮りに行きませんか。



2008 / 03 / 16 ( Sun ) 09:20:33 | 未分類 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
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